チョコレート、玉ねぎなどの食べ物であったり、砂利、おもちゃ、クッションマットなどの異物、糸くず、雑草など不意に何かしら食べてしまうことはワンちゃん、ネコちゃんともにあることだと思います。
催吐処置(嘔吐を引き起こして原因を取り除く処置)、内視鏡、手術など原因やその時の重症度によって対応は様々です。最近あった症例を掲載します。
【症例1】ピアス(片方)を食べた!!
犬 1才 体重2.3kg 雑種 避妊メス
夜間救急で来院した症例
ピアスを片方食べた!!とのこと。ご持参いただいたピアスの形状から催吐処置の危険際は低いと判断し、催吐処置を行いました。嘔吐したのですが肝心のピアスが出てきませんでした。そこで①喉に引っかかった?②胃の中にあるが嘔吐で出なかった?③胃から腸に流れた?ケースを考慮し再度レントゲンを撮影したところピアスは大腸までながれていました。
ピアスが腸内で引っかかることなく大腸まで移動したので、おそらく便と一緒に排泄されると判断し、そのまま経過観察することにしました。
翌日、飼い主様から連絡があり『ピアスは便に出てきた!!』とのこと。血便等もなくピアスが腸を傷つけたりした症状がないことからこのまま自宅で様子を見ていただき、元気がなくなったり心配なことがあったら連絡をもらうこととし治療終了としました、
【症例2】原因不明だが吐くようになった。~ゴム状異物の誤食~
猫 日本ネコ 9か月 去勢オス
『2日前まで全く元気だったが、昨日から急に元気がなくなり、嘔吐が続いている』とのことで来院
エコー検査で消化管内異物を疑う構造を確認しましたが、このまま便から出る可能性を考慮し皮下点滴で経過観察しました。
翌日も元気がなく、消化管に閉塞所見(状態が悪化している)があったため、造影検査を実施し、異物による腸閉塞と判断し手術で異物を除去しました。
手術後2泊入院して退院することとなりました。退院後4日で『風邪?くしゃみを連続でしていて、食欲も低下している』との不安なこともありましたが、抗生物質の注射を行い、速やかに元気になってくれました。手術後は消化管に負担をかけないため抜糸までの2週間はふやかしフードをあげてもらいます。
手術で摘出された異物(硬いゴム様)は飼い主様へ心当たりを聞くと『ドア・ストッパー』とのこと。異物誤食は繰り返すことが度々ありますので今後も要注意の旨をお話しさせていただきました。
【症例3】チョコレートを食べた!!
犬 チワワ 体重2.3kg 去勢オス
このワンちゃんも夜間救急で対応させていただいた症例です。
マーブルチョコレートを1粒食べてしまった!!とのこと。
チョコレートはテオブロミンという成分が中毒を引き起こすと言われています。
食べたチョコレートが少量で、体重あたりのテオブロミン摂取量は安全と判断しました。
有害成分の解毒・排泄を促進する目的で皮下点滴を実施し、帰宅していただきました。
翌日も体調良好で、異常な感じはしない!!とのことだったので治療終了としました。