こんにちは。看護師の須崎です。
今回は私が飼ってるワンちゃんがシニア期に入り、シニア期について分からないことだらけだったので詳しく知る為に色々調べたりしたので、私の経験談も踏まえて紹介させていただきます。
【シニア期】
一般的には小型犬は７歳頃からシニア期に移行すると言われています（諸説あり）。
老化のスピードは犬種差（大型犬は小型犬より寿命が短く、老化が速い）や個体差があり、何歳から高齢と定義するのは難しいです。
小型犬では７歳はシニアの入り口で、体に変化が出始める節目の年齢です。しかし、見た目はまだまだ若く、いわば「中年期」です。大型犬では７歳ごろから本当にシニア期に入ります。小型犬で本格的な「高齢期」が始まるのは、11～12歳頃からになります。
飼育環境や食生活の向上、獣医学の発展などを背景にワンちゃんたちの寿命が長くなっています。７歳というとまだまだ見た目は若いワンちゃんと変わりありません。ですが加齢による変化は毎日少しずつ現れます。変化の見える時期はワンちゃんによって個体差があります。定期的にワンちゃんの健康状態を確認することで病気にいち早く気付くことができることがあります。
健康状態の確認では
１．外見の変化
・目ヤニがでる
・目が濁ってくる
・歯が抜ける
・足が細くなる
・皮膚がカサカサ、ベトベトになる
・毛の艶がなくなる
・白髪が増える
・全体的に痩せてくる
２．内側の変化
・視覚、聴覚、味覚などの感覚が低下する
・運動能力が低下する
・筋肉が落ち、骨がもろくなる
・免疫力が低下し、病気への抵抗力が落ちる
・エネルギー代謝が低くなる
・消化器の機能が低下する
・泌尿器、生殖器の機能が低下する
３．行動の変化
・呼んでも反応が鈍い
・トイレが近い、おしっこがトイレまで間に合わない
・ソファなどに飛び上がれなくなる
・睡眠時間が長くなる
・家の中でも家具にぶつかってしまう
・食欲にムラができた
・散歩に行きたがらない
・散歩中に動けなくなる
４．心の変化
・喜怒哀楽の変化が乏しくなる
・マイペース、動くのがおっくうになる
・好奇心が薄れてくる
・飼い主さんへの依存度が高くなる
など様々な変化が現れます。
シニア期を迎えると、加齢とともに身体機能の衰えが見え始めます。
これまで持病のなかったワンちゃんでも歳年を重ねるうちにかかりやすくなる病気もあります。病気の予防、早期発見、早期治療のためにも定期的な健康診断を受けるようにして下さい。フィラリア予防の時期、狂犬病の予防接種、ワクチン接種のタイミングなどに診てもらってください。病気の症状がなくても健康診断を受けたい旨をご相談ください。
シニア期を迎え気を付けること
・食事
シニア期の入り口で最も気を付けたいのは肥満です。７歳頃から基礎代謝が低下してきて、それまでと同じ食事内容だと、太りやすくなります。肥満は万病の元で、関節疾患や心臓病、腫瘍など、加齢とともに増えてくるさまざまな病気の引き金になります。この時期、愛犬を肥満させないことがその後を長く元気で過ごすための一番のポイントです。ですが高齢期になると、中年期から一転して食が細くなり、痩せてくる傾向があります。トッピングで食欲をそそる工夫など、良質なタンパク質をしっかり摂取できる食事で、体力をキープすることが大切です。かつてのシニア用の食事は肝臓や腎臓への負担を軽くするため、脂質やタンパク質を控えていましたが、最近の研究では、シニア期こそ筋肉や内臓機能の維持にタンパク質の十分な摂取が必要という考え方に変わってきています。タンパク質は慢性腎臓病と診断されたところで制限すると良いと思います。
食事管理と適度な運動で適正体重を維持することが大切です。
サンプルのフードをお渡しすることもできるのでご相談ください。
・散歩と運動
生活に刺激があると“老けない”のはワンちゃんも同じです。ワンちゃんの様子を見ながら、散歩や運動はできるだけ積極的に行ってください。
体力が低下すれば、散歩に行きたがらなくなったり、動くのも面倒に思うかもしれません。ですが、外の刺激に触れたり、体を動かしたりすることで、血行が良くなり脳も活性化されます。散歩や運動をすべて諦めるのではなく、ワンちゃんのペースに合わせゆっくりと無理のない範囲で続けてください。
散歩には首輪よりハーネスをつけることをお勧めします。
首輪は引っ張った時に首に負担がかかりますが、ハーネスはそれを分散してくれます。最近は洋服タイプのものなど種類も様々あるので肌触りがよく装着しやすいものを選ぶといいと思います。
私の飼っているワンちゃんも散歩に行きたがらないことがあるのでその時は無理には連れて行かずに抱っこ散歩をしたり、途中まで抱っこして少しだけ歩かせるなど犬のペースに合わせて散歩をしています。
・安らげる環境
視覚や聴覚が衰えてくると、ワンちゃんは習慣で家具などの場所を覚え、家の中を移動するようになります。「動くのが大変だから」とワンちゃんの居場所を大きく引っ越したりすると逆効果になることもあるので気を付けて下さい。
ワンちゃんがリラックスして過ごせる“居場所”を作ってあげて下さい。
できるだけ日当たりが良く通気性のいい場所を選び、ペット用のベッドやクッションを設置し、清潔な状態が保てるように洗濯やお手入れをしやすいものを選ぶことをお勧めします。
トイレは居場所の近くにおいて下さい。加齢とともにトイレが近くなります。
トイレはワンちゃんの居場所から移動しやすい場所に設置して下さい。もしワンちゃんがトイレを失敗しても怒らないようにして下さい。怒られて自信をなくしたり、失敗してはいけないという緊張でさらに失敗を重ねることがあります。またトイレに間に合わない状態が続く場合、何らかの病気の可能性も考えられます。おかしいと感じた時には獣医師にご相談ください。
私の場合はその時は何も知らなかったので、居場所を大きく変えてしまいそこからトイレの失敗を繰り返すことになってしまいました。今はトイレの場所を広くとったり、おしっこを失敗してもいいように洗って使えるマットを敷いたりと色々考え苦戦しています。
皆さんが同じ過ちを犯さないように読んで対策していただけるといいなと思っています。
できるだけ床はフラットにしてあげて下さい。敷居や段差を解消して、室内環境をできるだけバリアフリーにして下さい。ソファなどには踏み台やスロープを設置するようにします。畳やフローリングなどの滑りやすい床は、カーペットやコルクのように滑りにくいものに替えます。ただし、毛足の長いカーペットにするとワンちゃんの爪が引っかかって転倒する可能性もあるので注意して下さい。
抵抗力が低下してくると、著しい温度差に体がついていけず体調を崩すこともあります。エアコンを利用して室内を快適な状態に保って下さい。ただし、冷え過ぎ、温め過ぎ、乾燥には気を付けて下さい。
視覚の低下は、家の中の家具を危険な障害物に変えてしまいます。当たってけがをしないよう家具の角や取っ手をけが防止のクッションなどで覆います。またかじったり、足を引っ掛けることのないようにコンセントにカバーをし、余分なコードは巻き取っておくようにして下さい。そのほか細かい雑貨、観葉植物はワンちゃんの届かないところに片付けて誤食防止して下さい。
加齢による変化を“歳をとる”“機能が“低下する”と表現すると、歳を重ねることがネガティブに受け取られるかもしれません。しかしシニア期を迎えるまで長い年月をかけてワンちゃんとオーナーさんの間に強い絆が築かれているものです。お互いの心を読み取れるのもシニア期だからこそだと思います。ワンちゃんのペースに歩調を合わせてゆっくりストレスのない日々を送れるようにしていきましょう。
私も今飼ってるワンちゃんに最善を尽くして最後まで寄り添っていきたいと思います。