『突然、目が腫れた!』との主訴で来院されるケースが多いです。

目頭(目の内側)に第三眼瞼腺(涙を分泌する腺)があり、炎症などで腫れるとポロンと突然シコリが目頭に出現します。

飼い主さんは突然の変化にびっくりして来院されますが、本人は意外とケロッとした表情で来院されることが多いと思います。若齢で発生することが多く、コッカースパニエル、ビーグル、シーズーなど様々な犬種で発生します。私は片目のみで起こるケースしか遭遇していませんが、両目の場合もあります。第三眼瞼腺を目の内側にとどめておく結合組織帯に発育異常が起き発症するようです。

第三眼瞼腺を適切な場所へ整復する処置が必要ですが、目の処置を許容できる若齢ワンちゃん・猫ちゃんは少ないです。安全面を考慮し鎮静処置を施してから目の処置をスタートします。

第三眼瞼をピンセットで持ち上げながら…または綿棒などを用いて第三眼瞼腺を整復します。再脱出しなければ短時間で処置は終わります。

再発を繰り返したり、長期間第三眼瞼腺脱出状態が続くと手術が必要になります。

次の画像はM.ダックスのチェリーアイです。

処置前と処置後の画像です。処置から2か月経過しましたが再発していません。