『何回もトイレに行く・・・』

『血尿が出た・・・』

『トイレに行くが尿が出てないようだ・・・』

『急に吐くようになった。そう言えば2日間オシッコが減っている・・・』

 

と言った症状で飼い主様が気付く事が多い病気が下部尿路疾患です。

今回は尿路閉塞についてお話したいと思います。

尿路閉塞は若いオス猫に特に多くみられる病気ですが、オス・メス共にすべての年齢で見られます。季節は冬季に多いと言われていますが、春夏秋冬関係なく起こります。

原因は先天的な異常、尿路結石、細菌感染、腫瘍、神経機能異常で起こります。

 

当院で遭遇するのは圧倒的に尿路結石が多いです。

尿道に結石(ストラバイト結晶、シュウ酸カルシウム結晶など)が詰まる事で排尿ができなくなって、『トイレに行くが尿が出てないようだ・・・』という主訴でご来院されるケースが多いです。結石以外にも蛋白や血のかたまりが尿道に詰まることもあります。

 

早急な処置が必要になります。

①尿道の詰まりを取る

 尿道カテーテルの設置、膀胱穿刺

②現状把握

 血液検査、レントゲン検査で尿路閉塞による障害程度を把握

③腎機能の維持

 入院治療が必要なケースも多い

④その他

 手術による原因除去、再発防止のための治療

 

尿路閉塞の病態は様々で、比較的元気な状態のネコもいますし、意識が混濁し不整脈を起こし致命的な状況のネコもいます。

排尿障害により膀胱がパンパンになり、破裂するケースもあります。膀胱破裂が起こると命に関わる状況で緊急手術が必要です。

 

【実際の症例】

4歳 雑種 オス(去勢済み) 体重6.5kg

『2,3日前から尿が出ていないようだ・・今日から元気がなく、2回吐いている。』との主訴で来院され、お腹を触ると膀胱がパンパンになっており膀胱破裂の恐れがあるほどでした。

  

ペニス先端に白い砂状の物が確認でされ、鎮静下で慎重にペニスからカテーテルを通します。

カテーテルが膀胱へ通ると琥珀色の尿が確認できました。尿検査、膀胱洗浄を行い緊急状態は脱する事ができました。

尿検査結果から、今回閉塞の原因になったのは『ストラバイト』という尿路結石の一種でした。

血液検査結果から重症には至っておらず半日点滴治療を行い、帰宅しました。

 

症例により重症度は様々で、命に関わる状況のネコも珍しくありません。尿路閉塞により排尿ができなくなり処置後に腎不全を発症するケースも多いです。今回の症例ネコさんのように後遺症もなく半日入院で帰宅できるケースもあります。