こんにちは

GWも後半ですね。生活リズムの変化で体調を崩すのは人も動物も一緒です。日中の暑さは動物にとっていっそう負担になりますので気をつけてあげてくださいね。

さて、今日は猫の皮膚疾患、特にアレルギーを疑うケースを紹介します。

  

   

  

≪猫の皮膚炎~脱毛~≫
『自分で舐めてハゲができた』『気付いたら薄毛だった』などでネコちゃんの皮膚トラブルに遭遇しますが、痒いのかイライラしたのか、先天的なものか、ホルモン疾患があるのか見た目には分からないことが多々あります。犬の皮膚炎と比べると細菌感染は少なく、猫の場合はアレルギーを疑う皮膚炎の事例が多いです。

猫の『掻痒』パターン ←痒み、イライラ、ソワソワ、ホルモン疾患により特徴があります。
1 粟粒性皮膚炎
  皮膚に1~3mm程度の小さなポツポツ丘疹が出来ます。
  分布:腰背部、頸部、耳介、鼻梁、体幹部
  原因:感染症(ノミ、蚊、疥癬、カビ)、免疫(薬疹、好酸球増加症候群)

2 好酸球性肉芽腫群
  クレーター状に皮膚が欠損したり、赤く腫れたりします。
  分布:唇、口腔
  原因:遺伝的、アレルギー(食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、ノミアレルギー性皮膚炎、蚊刺症)、感染症、外傷(舐性行動)

3 対称性脱毛
  分布:内股
  過剰なグルーミングにより境界明瞭な「裂毛」が見られる。
  原因:アレルギー(食物アレルギー、ノミアレルギー性皮膚炎、、アトピー性皮膚炎)、感染症(ニキビダニ症)、舐性行動(行動学的問題、その他)

4 頭頸部掻破痕
  分布:首の後ろ
  原因:アレルギー(食物アレルギー、疥癬、アトピー性皮膚炎)、感染症(カビ)、外傷(行動学的問題、脂腺分泌障害など)

当院ではアレルギーを疑う症例については消炎ステロイド剤を処方する事が多いです。
しかし、一言で『アレルギー・・!?』と言っても原因は様々で、心因性(行動学的問題、心のイライラから体表を舐め、皮膚炎を発症)や関節炎(痛み、違和感のある関節を舐めた結果、皮膚炎を発症)の場合もあります。フードの関与はありそうか・・・ 花粉の時期や発情期など気候・季節の関与がありそうか・・・ トイレの問題、近所で工事が始まったり、長時間の来客があったり・・・ 様々な可能性を考慮してネコちゃんの皮膚炎が重症化する前に対応していきましょう。