猫の舌炎

小手指ペットクリニック 2017年02月10日 - 19:02:14

あまり遭遇した事のない症例でしたので紹介します。

2歳のネコちゃんが突然、元気、食欲がなくなりヨダレを垂らしている。とのことで来院されました。

熱が41℃!!(体の組織が死に始める高温です。)

お口を確認すると、舌先端が真っ赤に!!

 

血液検査で大きな異常はなく、ウイルス感染を疑い治療を開始しました。

舌炎の原因は

1 化学物質

2 ウイルス感染

3 尿毒症などの代謝障害

4 自己免疫性疾患

5 腫瘍

6 機械的損傷

を考えていく必要がありますが、全身症状、血液検査結果を勘案してウイルス感染(カリシウイルスかな・・・)を疑いました。

翌日から熱は下がりはじめましたが、炎症箇所が口腔内を伝染、拡大した事から完治まで10日を要しました。

今では以前と同様に元気に暮らしているとの事です。

 

この症例からワクチンの重要性を痛感したのでお話したいと思います。

通常、ネコちゃんが3種混合ワクチン接種を定期的にしていれば、他のネコちゃんから唾液などからウイルス感染してもカリシウイルスはワクチンの効果で発症せずに済むはずです・・・

このネコちゃんは1年半ワクチン接種をしていませんでした。

今回の舌炎の原因を『カリシウイルス』と特定をしていないので、釈然としないのですが、もしこのネコちゃんが1年に1回、定期的にワクチン接種をしていたら今回の舌炎を防げたかもしれません。通常カリシウイルスに対して不活化ワクチンが用いられています。不活化ワクチンはメリットとして製造コスト、安全性などがあるのですが、デメリットとして有効期間が短い事があげられます。

各製薬会社で有効性を高めるため工夫され製造されていますが、少なくとも当院で扱うネコちゃんの3種混合ワクチンのカリシウイルスへの有効期間は13カ月から14カ月間です。(13カ月を過ぎたからと言って効果が 0 〈ゼロ〉にはならないので、過剰な心配しなくてよいようです。)

舌炎を起こすウイルスは、エイズウイルス、白血病ウイルス、カリシウイルス、ヘルペスウイルス・・・多数ありますが、、白血病ウイルス、カリシウイルス、ヘルペスウイルスはワクチンが製造され一般動物病院でも接種可能です。先般予防医療の重要性が広く認識されていますが、1年に1回!!定期的にワクチン接種を受けれたら良いですよね。

ワクチン接種について長々と書いてしまいすいません。

ワクチンは免疫系を刺激、強化するものです。本人の体調が優れない中打つものではありません。

また、ワクチンで調子を悪くした事がある方は必ず獣医師に伝えてくださいね。