犬の膀胱・尿道結石の一例

小手指ペットクリニック 2016年11月28日 - 19:11:08

8才のワンちゃんが、昨日から尿が出ずに元気がないとのことで来院されました。

レントゲンを撮ると、膀胱内に7個程度、尿道に3個(ペニス先端から10cmに2個、13cmに1個)の石が詰まっており、膀胱はパンパンな状況でした。

ワンちゃんは立つことが辛く、座り込んでしまう状況で、一般状態が悪く感じられました。お家では嘔吐が見られたとのことでした。

「オシッコが出ない・出にくい」という症状をワンちゃんネコちゃん問わずよく耳にしますが、軽視してはいけません。

このワンちゃんは幸い後遺症などありませんでしたが、致命的な影響が残る事もありますので早急に対応しましょう。

さて、結石等により尿が出ない事を『尿路閉塞』といい、通常、尿道に詰まった結石等を膀胱に戻し、尿路閉塞を解除することで排尿させる処置を施しますが、このワンちゃんの場合、尿路閉塞解除が出来なかったため、お腹から膀胱に直接針をさし尿を出すことで応急処置を施し、手術で膀胱・尿道結石を取り除くこととしました。

手術は①尿道結石を取り出すこと。②膀胱結石を取り出すこと。③カテーテルと呼ばれる管をペニス先端から膀胱まで通し、尿の通り道を確保すること。が必要になります。

このワンちゃんは腹部の傷口を再縫合したことと、傷口の腫れが10日ほど続いてしまいましたが予定通り術後2週間で抜糸終了し、術後良好に回復してくれました。

結石の成分分分析結果は『シュウ酸カルシウム』。食餌のミネラルバランス、体質により再発することもあり、しばらく食餌療法が必要となる旨をご理解いただき、現在は食餌療法をしっかり行っていただいています。