猫の異物誤食2例

小手指ペットクリニック 2021年03月18日 - 17:03:10

■ケース1

体重 2.3kg 6歳 避妊メス 

1週間ほど前にオモチャを齧っており、その頃から嘔吐が続いている。

ここ3・4日は食欲もなく、嘔吐を繰り返している。との主訴で来院

【レントゲン所見】

お腹に直径2cm程度の円盤状の異物を確認

【超音波検査】

 

レントゲン検査で確認された円盤状の異物を腸内に確認

【手術】

 

上の写真には消化管が写っていますが、異物の手前は腸が膨らんでいますが、異物より遠方では腸が細くなっています。異物による腸の完全閉塞が起きています。

開腹手術により小腸から異物を取り出しました。

異物は食品用の脱酸素剤でした。

 

■ケース2

体重 3.26kg 7ヶ月齢 雑種 メス

2~3日前から嘔吐回数が増えた。との主訴で来院。

普段から輪ゴム、水筒のパッキンを咬む事があるとの事。

【レントゲン所見】

お腹にひも状の異物を確認し、造影検査では腸の完全閉塞所見が見られました。

【超音波検査】
 

腸内にひも状異物を確認すると共に腸内に液体が溜まり、一部腸重積を起こしていました。

【手術】
 

小腸の広範囲でやや赤みをおび、拡張した消化管が見られました。消化管内に細く硬いひも状異物と太いゴム様の異物が確認されました。ひも状異物は胃から小腸の奥まで繋がっていて小腸がアコーディオン状に捩れて一部腸重積(腸の中に腸が入り込んでしまう状態)を起こしていました。

小腸2か所、大腸1ヶ所、胃1ヶ所を切開しひも状異物(細いひも、髪ゴム、絆創膏様のテープ)を摘出して手術終了。腸重積は整復すると腸組織の損傷は軽度だったので腸を切断する必要はありませんでした。胃から大腸まで異物の確認をする必要があり手術の切開幅が大きくなりましたが、手術後は順調に回復してくれて4日の入院の後、退院となりました。

 

 

 

胃腸手術の際には最低3泊4日の入院となります。手術後24時間は絶水・絶食、それから飲水を少量からスタートし、手術後48時間経ってから少量の流動食、手術後72時間経ってからトロトロのフードを食べて、嘔吐なく問題なければ退院となります。退院後も1週間はトロトロのフードを続けていただきます。

 

再発(再犯?)について

上記2症例はいづれも普段から異物を口にする癖があるネコさんでした。ビニールを舐めるのが好きなネコさん、絨毯・毛糸が好きなネコさん・・・嗜好は様々と思うのですが、再発率の高い病気ですのでどうかお気を付け下さい。年齢が5~6歳になると誤食事故は減る印象があるのですがケース1のネコさんは6歳ですし…とにかく原因になるものを排除するしかないですね。