犬の角膜炎

小手指ペットクリニック 2021年03月08日 - 19:03:24

角膜炎とは、角膜目の表面(目の中心で透明の部分)に炎症が起きることです。

原因は乾燥したり、細菌・ウイルス・異物が角膜を傷害したり、免疫機能に異常が出たり・・・原因は様々。

 

■ 乾性角膜炎の一例

5歳 去勢オス

やんちゃで人が大好きなシーズーさんです。

シーズーでは眼頭の毛が目を刺激する事が多々あります。眼瞼内反症という生まれつきの特徴・病気が関与していることも多いです。上の写真では眼を開かされて何だか可哀想ですね…目の充血、白濁を確認するために頑張ってもらいました。

さて当該事例のシーズーさんは、当初、眼頭の毛が目に入ってしまいその刺激で角膜炎を起こしている!?と判断したのですが眼頭の毛を短くカットしても角膜炎が続いていました。

そこで細菌検査をさせて頂き、確認された細菌に対して抗生物質の点眼薬(タリビット)、角膜保護の点眼薬(ムコスタ)を併用しました。

10日後(下の写真)、目の充血や角膜表面の白濁は改善し、角膜炎がだいぶ治まっていました。

でも、まだ充血が残っていますね!!

その後、ステロイド剤を併用したところ角膜の透明感が戻り、健康な目に戻りました(下の写真)。

恐らく点眼治療を休止すると再発してしまうので、点眼回数を1日2回→1日1回→2日に1回と徐々に減らして副作用に注意しながら経過を追っていく必要があります。

また、眼頭の毛が目を刺激しないように、こまめにチェックもした方が良さそうです。

 

■ 異所性睫毛の一例

4才 避妊メス

優しい性格、恐がりシーズーさんです。

たびたび目の充血を起こしたり、目をしょぼしょぼさせる(目をぱっちり開けたがらない様子)ことが見られました。

そこで、目をチェックしていくと、、、まぶたの内側に睫毛が生える『異所性睫毛』を確認しました。

しばらくは来院の都度、目立つ異所性睫毛をピンセットで抜く処置を続けていたのですが

再三繰り返す角膜炎に対し、異所性睫毛をレーザーで焼く処置を実施しました。

上の画像は、まぶたの内側に生えた『異所性睫毛』です。

この毛をレーザーで焼いていきます。

上の写真はレーザー数回照射した状況で、まだ毛が残っています。

もう少し、レーザー照射を続けます。

上の画像では、目立つ毛はなくなりました。

この処置により、一度角膜炎は治まったのですが、処置後1~2ヶ月で『異所性睫毛』が再発しました。

レーザー照射しても毛根が残ったこと。レーザー照射していない場所から新たに異所性睫毛が生えてきたこと。が考えられます。

1回のレーザー照射で『広範囲の永久脱毛』は望めない印象です。

何回か繰り返す事をお薦めします。

安全に処置を行うため、目に対してレーザー照射する際には鎮静処置が必須です。

当院では鎮静下でレーザー照射を行う場合1回 24,000円かかります。

また、診察料と処置後の点眼薬の費用が症例毎に別途発生しますので、合計26,000円程度は必ずかかります。

健康状態に不安がある場合、処置が出来ない又は処置をお薦めしないケースもあります。

異所性睫毛、睫毛重生、逆睫毛等でお困りの方は一度ご相談ください。