短頭種症候群・短頭種気道症候群

小手指ペットクリニック 2020年08月31日 - 11:08:00

フガフガ、ゼーゼーする呼吸、ズーズーするイビキ・・・

パグ、フレブル、ブルドックさんでは『フガフガした呼吸』は特に異常ではなく、日常的な呼吸です。ただし、呼吸困難を伴うと短頭種症候群という閉塞性気道障害かもしれません。

シーズー、ペキニーズでも遭遇しますが、手術が必要になるケースは少ないと思います。

下記の状態が関連し合って、呼吸困難になる病気(症候群)です。

軟口蓋過長 ナンコウガイカチョウ:口腔と鼻腔の合流地点にある蓋(弁)が通常より長い状態

外鼻孔狭窄ガイビコウキョウサク:鼻の穴が狭い状態、呼吸を邪魔する状態

喉頭嚢外反 イントウノウガイハン:喉の奥(気管の始まり)が膨れ上がった状態

 

フレンチブルドックでは、特に多く遭遇します。

先ず軟口蓋過長ですが、口の中の天井部分を口蓋と言いますが、その口蓋奥の柔らかい部分を軟口蓋と言います。軟口蓋(ヒトの喉チンコ)が長く気道を塞ぐ事から常時イビキ様の呼吸をします。

次に外鼻孔狭窄は鼻の穴が小さく、呼吸の空気が十分に吸えない・吐けない状態になります。

最後に喉頭嚢外反は、慢性的なフガフガ呼吸の結果、喉の奥に炎症や腫れが生じ、結果的に気管の入口に喉頭嚢という水膨れを形成し、呼吸の空気の通り道を塞ぐことになります。

先述した軟口蓋過長、外鼻孔狭窄、喉頭嚢外反とが相互に関連し呼吸困難を招きます。

 

軽度な短頭種症候群であれば体重減量、首輪の変更、興奮するような運動の制限、内科的治療薬で症状を緩和する事が出来るかも知れません。しかし慢性的な咳、呼吸困難を疑う症状に対し手術を提案します。①軟口蓋の矯正(切除)、②外鼻孔の矯正(拡張)の手術を行います。

軟口蓋の矯正(切除)】 長く伸びた軟口蓋に切除ラインを決め、レーザーメスで切除していきます。

  

外鼻孔の矯正(拡張)】手術前、手術後、手術後14日の画像です

  

手術後もイビキは0≪ゼロ≫にはなりません。多くの場合、先述した要因のほかに短頭種ならではの厚い舌、末端部が肥大した軟口蓋、口腔内へ張り出す喉頭粘膜、扁桃腫大が関係しているからです。舌の色が紫色になった事がある、呼吸がしんどそうに見える場合は、日常の呼吸改善を目的とした手術を検討いただき獣医へ相談する事をお薦めします。