慢性リンパ性白血病

小手指ペットクリニック 2020年07月16日 - 18:07:58

血液の腫瘍です。『白血病』は耳にした事がある方も多いと思います。

  

上の写真は血液の写真で、増殖したリンパ球(紫色の細胞)と赤血球(ぼやけた色の丸い細胞)が写っています。

ワンちゃんでは中齢~高齢で時々見られ、ネコちゃんでは非常に希な病気です。

骨の中に血液細胞を作る『骨髄』という場所があります。その骨髄でリンパ球が持続的に産生され、血液中に成熟リンパ球が多数見られるようになります。骨髄でリンパ球が過剰に作られる半面、リンパ球以外の血液細胞が作られず貧血、好中球減少、血小板減少といった徴候が併発する事が多いです。

慢性リンパ性白血病の症状は、食欲低下、体重減少、元気消失、下痢、嘔吐といった何気ない症状が続きます。無症状で進行するケースもあります。

治療は完治が目的ではなく、病気と寄り添っていく事が必要になります。

治療反応は比較的良好で、抗がん剤治療を行った場合、生存期間は1~2年以上が期待できる病気です。抗がん剤治療と聞くと副作用が気になるところですが、目立った副作用は少ない事が多いです。

ちなみに副作用で連想されるイメージが皆さまお持ちかと思います。頭髪が抜けて、免疫力が下がり身体の抵抗力が低下するので無菌室に入院する必要があって・・・下痢、嘔吐が続く・・・など。ワンちゃん、ネコちゃんに抗がん剤治療を行う際、副作用が起きないわけではありません。副作用をある程度覚悟して高用量の投薬を行うことが、高い治療効果を生むこともあります。

ただし、リンパ性白血病の治療で用いる第一選択薬(クロラムブシルあるいはメルファラン)は著しい副作用は稀です。

とは言ってもクロラムブシルは中程度の骨髄抑制、免疫力の低下には注意が必要ですが・・・

 

先述しましたが、抗がん剤治療では、腫瘍化した骨髄細胞を根絶させる(完治させる)ことが目的ではなく、腫瘍細胞の過剰増殖を抑えて症状や血液の異常を改善させ寄り添っていく事が目的になります。基礎疾患の有無、治療開始時の健康状態や腫瘍の進行具合によっても治療経過は様々ですが、安定すると抗がん剤を休薬することも可能な病気ですので希望をもって頑張ってもらいたいです。