角膜潰瘍

小手指ペットクリニック 2020年01月20日 - 19:01:53

眼が開かない。眼をシパシパさせる。という症状によく遭遇します。

細菌、ウイルス感染、異物、アレルギー、犬では逆まつ毛(睫毛乱生、睫毛重生、異所性睫毛)
その他、ドライアイ、物理的刺激(シャンプー、花粉)等の結果、炎症が起きて目に痒み、痛み、充血、目やにが出たり、腫れたりするんですね。
 
角膜炎、結膜炎・・・様々な病態から眼が開かない、眼をシパシパさせるという症状が出るのですが今回は角膜潰瘍についてお話します。
眼の表面【角膜】の損傷が疑われる際に『フルオレセイン染色』を実施します。
その結果がこの写真です。
3日後の状態が下の写真。傷が浅くなっており、この子はこのまま点眼治療を続け2週間後には綺麗に完治しました。
 
 
1 表層性角膜潰瘍
角膜炎と同義で予後は良好です。
当院では抗生物質を処方します。
病態が長期化(慢性化)すると角膜の上皮と実質との結合がうまく行かず治癒がうまくいかないケースがあります。
 
2 角膜実質の潰瘍
細菌、ウイルス感染が原因となり、角膜が溶けて潰瘍部の拡大が起きます。
上の写真はこの実質の潰瘍が見られた症例です。
進行が早いもの、遅いものがありますが、当院では抗生物質及び角膜保護の為のヒアルロン酸を処方し、まず3日後に再度チェックを行います。
角膜の潰瘍部が良くなっていれば治療継続し、悪化所見があれば細菌培養、抗生物質の追加や点眼頻度の増強、二次診療施設(眼科)の紹介を行います。
 
3 デスメ膜・角膜穿孔
角膜上皮、角膜実質が崩壊した状態です。『目に穴が開く』状態かその一歩手前か・・・という危機的状況です。
角膜を守るために手術(結膜フラップ)が必要です。
角膜は血管のない組織で、結膜を角膜に縫着させる事で角膜に血液供給を可能にし治癒を促します。
治癒まで根気強く点眼を続けます。手術後2~3ヶ月で再度手術を行う事があります。手術後も目の白濁が残るケースがあります。
 
角膜は外界に露出し薄く比較的弱い組織です。障害が進行すると『目に穴が開く』状態まで進行します。
迅速な治療が必要ですが治療が円滑にいくとは限りません。
細菌、ウイルスが関与しているケース、
基礎疾患、併発疾患(糖尿病、ドライアイ、緑内障等)があるケース
点眼治療が困難なケース(飼育環境、攻撃性、野良猫・・・)
難治性で眼球摘出が必要になるケースもあります。
まず、異変に気付かれた際にはご相談ください。