胆泥症

小手指ペットクリニック 2019年02月21日 - 21:02:55

胆泥とは・・・何らかの原因で胆汁が濃縮して変質し泥状になったものですが

甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症などの内分泌疾患でも胆汁の性状が変化するために胆泥ができやすくなると言われています。

 

さて、胆泥が胆嚢に貯まる胆泥症は犬で非常に多く、多くの場合無症状で病的意義は低いと言われています(治療する or しない は胆泥症の程度により様々)。

当院ではウルソデオキシコール酸(起源は、漢方の「熊胆」で、副作用はほぼありません。)という消化機能や肝機能を改善したり、胆汁の分泌を促進する利胆薬を処方することが多いです。

胆泥症から黄疸を発症したワンちゃんの症例です。

体重3.3kg パピヨン 10歳(去勢オス)

「今日2回吐いた。」との主訴でワンちゃんが来院されました。

何となく皮膚が黄色く、目(白い部分)も黄色いようでした。血液検査をすると総ビリルビン 2.9mg/dlでした。これは『黄疸』という症状で入院を必要とする事が多いです。

超音波検査ではこんな感じでした↓。

ワンちゃんのオーナーと治療方針を話し合い、先ず内科療法を行うこととしました。

ウルソデオキシコール酸(薬品名:ウルソ)、トレピブトン(商品名:スパカール)を1日2回内服し1週間後の超音波検査ではこんな感じでした↓!!

1週間でかなり良くなっています。

体調も良くなりましたが、オーナー様には、再発の可能性と薬の安全性をお伝えししばらくお薬を継続するようお願いしました。

≪胆泥症≫

胆泥症とは何らかの原因で胆汁が濃縮して変質し泥状になったもの(胆泥)が胆嚢に貯留した状態をいいます。胆汁の成分が変質して結石状になったものを胆石といいます。

原因:胆嚢炎や内分泌疾患(甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症)に伴って見られることが多いようです。胆嚢炎が起こると胆汁の性状が変化するために胆石や胆泥ができやすくなります。

症状:特に症状を示さず、健康診断等で偶然発見されるケースも多く見られます。食欲不振や嘔吐、発熱、腹痛などの症状が現れます。胆汁の流れが著しく低下するとと黄疸が起こり、重症の場合には胆嚢や胆管が破裂し腹膜炎を起こすこともあります。

治療:利胆剤。抗生物質や消炎剤、ホルモン剤など、原因となる疾患(原疾患)の治療が必要となることもあります。外科的に胆嚢を切除する手術を行うこともあります。原疾患がなく、特に症状を示さず、肝障害なども伴っていない場合には、治療をせず経過観察を行うこともあります。

予防:体質が大きく影響しますが、高カロリー・高脂肪の食べ物には注意が必要です。